林添(はやしぞれ)館

302号線沿いに建つ神明社

 

2016年4月11日撮影


◆別名:

林添村古屋敷

 

◆所在:

豊田市林添町井ノ向

 

◆交通:

豊田松平ICを下車し、国道301号線を松平郷方面へ進むと、道路南側に神明社へ登る急階段が見えてくる。

神明社とその裏手にある民家一帯が城館跡と言われている。

 

◆歴史:

南北朝末期、松平郷へと入った松平親氏は善政を敷き、領内を徐々に豊かな物としていったが、さらに勢力を伸ばすため平野部への進出を目論み、最初の標的としたのが松平郷より2キロ程下った林添村である。

 

当時、林添村は現在の神明社近辺に城館を構えた土豪の薮田源吾が支配していた。

親氏は鷹狩を装って人数を引き連れて林添村へと侵入し、城館へと一気に襲い掛かり薮田源吾を討ち取る事に成功。乙川下流へと支配地域を増やした親氏は、松平城を築いて本拠地としたと伝わる。

 

林添村を新たな領地に加えた松平氏は近隣の土豪らを徐々に従え、勢力範囲を広げて行き、九代後に産まれる徳川家康が天下を取る事になる。

 

◆現在:

民家とその裏山になっている。

現在の神明社は北側を走る国道302号線から急な階段を登るようになっているが、立地を考えると、当時は南側にある城館の一番奥に守り神として建てられていたと考えられる。

 

神社本殿から少し下った所に子供広場があり、石積みもある。

この石積みが当時の物だとした場合、北側の急斜面に築かれた曲輪の名残りなのかもしれない。


神明社の北側に削平地があり、子供広場になっている。


神明社の北側は急な階段となっている。